今年に入ってから、自分をはじめ、チームのメンバーには積極的に外に出て、ワークショップやセミナー、イベントに参加することを勧めています。
社内でも出来る限り積極的に人を集めて、ワークショップをやるようにしています。
色々なところでよく意見されていたり、参加したイベントでも登壇者や講師から話されることですが、セミナーやワークショップで何かを学ぼう、スキルを身に着けようというのは間違っています。
それがたとえ、何万もする泊りがけのものだったとしても、そこに出たからといって、明日から業務が改善されることはないでしょう。
先日「普段と違うことをやろう」という記事で、新しい取り組みとルーティンのバランスが大事ということを書きましたが、実際にスキルとして身につけるためには、何度も繰り返してできるようになるしかありません。
セミナーやワークショップは、あくまでも気づきを与えてくれるに過ぎません。
普段ルーティンばかりを繰り返していると、この気付きは中々生まれません。
気づきを持ち帰り、新しいルーティンを作り出すことで、少しづつ多様なクリエイターへと変わっていければよいのです。
アートディレクションワークショップにデザイナーと参加
前置きが長くなってしまいましたが、実際に先週チームのデザイナーと参加してきたワークショップの話です。
ディレクション協会主催のアートディレクションのワークショップで、WEBディレクター向けのものでした。
一緒に参加したデザイナーとは、刺激的な一日とそれぞれに気づきを持ち帰るために、会場では別行動をとるからね、その場でいろんな人とコミュニケーションとってね。
と伝えていたので、バラバラのチームでワークショップをしました。
他の参加者はディレクター向けということもあり、殆どがWEBディレクターさんで、普段デザインの現場にいるのはほぼ僕らだけという状況でした。
内容はというと、3本柱で、
1.デザインをしっかり言語化しましょう
2.デザインをしっかり構造化しましょう
3.デザインを作ったら終わりではなく、その後色々なところで展開できるようにしましょう
と言うものでした。
1に関しては、僕らは最近力を入れているところで、言葉からデザインを考えメタファーを当てはめ、最終的にデザインとコンセプトに応じた言葉でアウトプットするということを気を付けています。
2に関しては、デザインの一つ一つの要素を意味と理由のもとに作り組み上げるというところで、普段無意識にやっていることを改めて、意識して行う気づきがありました。
これは意識的に行っているのと無意識でやっているのとでは、説得力も違うし、何より実際にデザインをした後の自信が全然変わってくるだろうなと感じました。
3はロゴやデザインテーマの例をもとにしたお話で、デザインを納品した後に、どこでどのように使われても、意味合いやコンセプトを失わないように作るということでした。
自分の手を離れたデザインが、ちゃんと自立して残っていけるようにということですね。
僕らは普段受託でWEBサイトを作っていますが、正直他媒体への展開について考えることはないに等しいです。
多分それは、僕らが末端の現場だからかもしれません。
多くの場合は、僕らは誰かがどこかで作ったデザインをWEBに展開する側だからです。
でも、デザインの再利用性を担保するというのは、僕らの現場でも十分に当てはまることです。
ボタン一つにしても、様々なページや、ブロックの中で使っても、それがボタンとして認識できるように作るというのは、当たり前のようにやらなければならないことです。
その後、Wi-Fiマークや、Bluetooth、リロードマークと言ったシンプルなロゴを使い、それぞれのロゴの意味合いの言語化、構造の定義、そしてそのマークを、いろいろな使い方をしたらどういうアイディアがあるかということを、チームごとにワークショップで考えました。
普段、意識してやらないことなので、新鮮でさらに複数の人と一緒に考えるワークはとても面白いものでした。
再確認が出来る
今回のワークショップでは、WEBディレクターのかたがたには、新しい知識だったかもしれません。
僕や一緒に行ったデザイナーも、わりと普段の仕事の中で意識的、無意識でやっていることだ、というのは共通の感想でした。
そう考えると、僕らは得られることはなかったのかなと思うかもしれません。
ですが、僕たちはすごく良い体験をしました。
それは、「自分たちのやっていることは、間違いじゃなかった」という再確認ができたということです。
一箇所で仕事をしていると、普段やっていることが本当に正しい方向なんだろうか?
このまま続けて意味があるのだろうか?と不安になります。
ですが、外に出て人の話を聞いたり、ワークショップを体験したりする中で、ふと「あ、これ同じようなこと普段やっているな」と感じることで、「やっぱり間違ってなかった」という自信につながります。
なんか自分の行いが肯定された気持ちになるんですね。
これは、モチベーションを保つ上で、とても大事なことだと思います。
違うレイヤーの人の歩み寄りを感じてもらえる
今回ディレクター向けのワークショップにデザイナーを連れて行ったのは、もう一つ目的がありました。
デザイナーに対して、世の中のディレクターは、あなたの仕事のことを理解してくれようとしているんだよ、ということをワークショップという場を通して知って欲しかったのです。
そして、違うレイヤーの人と、同じテーマについて、真剣に話すことは、彼にとってもとても良い刺激になったと思います。
次は、エンジニアのスタッフと開発系のワークショップに行ってみようかな!