よく何か新しい取り組みをやったり、方針を変えたりするとき、トップダウンでやるかボトムアップでやるかみたいな話を聞く。
小さなチームの場合、すごく頭のいいトップがいて、トップダウンで引っ張ったほうが早いのかもしれませんね。
ですが、僕が最近思うのは、両方同時にやらないと、うまくいかないんじゃないかってこと。
スマホファーストはトップダウンだった
話をものすごくマクロな視点にします。
僕らの業界のトップといえば、やはりGoogle先生、apple先生でしょう。
先生たちはすべてのインターネットを設計するような、最上位レイヤーに君臨しています。
僕らWEB制作現場は、彼らの決め事に一喜一憂する末端です。
ある日世の中にスマホが多く出回っていることに危惧したトップは、
世の中のWEBサイトはスマホで見やすくすべきだ!と言い出しました。
ごもっともです。
だって、iphone3Gのときとか、ネットすると目が疲れちゃってましたもんね。
先生たちはは、これを解決すべく、ガイドラインをつくったり、様々なお手本を作りました。
インターネットがよりどこでも、カンタンに、見やすく、使いやすくなることを願ってやっていたのでしょう。
特にGoogle先生は、インターネットの根幹である検索を牛耳っているので、
言うことを聞かない末端に対して、ペナルティーを課すという強攻策に打って出ます。
検索結果の下に「スマホ対応」がないと、ページランク落ちちゃうよ事件ですね。
これぞまさにトップダウンです。
トップダウンの欠点
さすがにGoogle先生がそこまで言えば、末端たちは震え上がります。
瞬く間にスマホサイトの提案を行い、スマホ変換のASPサービスなどが一世を風靡しました。
この頃になると、提案という提案で決まり文句のようにレスポンシブデザインって言ってました(笑)
ですが、ふと我に返ってみると、
みんなGoogle先生の本当の意図ってわかってるんだろうか?って思ったんです。
みんながやってるのって、
検索結果の下に「スマホ対応」って表示させること、
ページランクを落とされないことが
目的になっちゃってるんじゃない?
または、単純にスマホ対応バブルがきたー!ってなってただけなんじゃない?
レスポンシブデザインの連呼が、そう思わせました。
だってスマホファーストのはずのレスポンシブデザインなのに、ほとんどの人ってまずPCのデザインでクライアントに見せるんだもん。。。
それじゃスマホファーストって言えないよ。。。
PCからつくったレスポンシブってコーディングの制約でスマホの時妥協せざるを得ない事が多々あるから。
実際にGoogleやappleのえらい人に聞いてみないとわからないけど、
彼らの理想としたスマホファーストの世界って、今どれくらい達成されたのかな?って思います。
要は、トップダウンだけでは理想郷は作れないんじゃないかって思ったのです。
トップダウンを受け止める土壌が必要
何か大きな変革が起きると、頭の良い人達は、そこに柔軟に対応し、リーダーシップをもって、民衆を導きます。
ですが、実際導かれている民衆は、
何かみんなあっちに向かってるからついていこうとか、
ついていかないと怒られるからついていこうみたいな意識だったりします。
トップダウンを受け止める土壌がないんです。
そのために必要なのがボトムアップだと思います。
末端一人ひとりが、なぜそっちの方向に向かうのかってことを考えるべきだと思います。
そして、その理由がわかった人は、エバンジェリストとなって、周りに知らせなければなりません。
自分がエバンジェリストなんて、、、ではなく、伝えなければそこで止まってしまうかもしれないんです。
トップダウンが起こったあとは、その内容が新しければ新しいほど、ボトムアップが必要ということをとても感じます。
そして、これが一番必要なのは、制作現場だと思います。
なぜなら、現場は実際にものを作っているから、デザインをし、コードを書いているから。
組織内やプロジェクトでも同じ
かなり大きな話になってしまいましたが、こういったことはひとつのプロジェクトや、組織の中でも当たり前に起こります。
ワイヤーでせっかくつけたプライオリティが、デザインでおかしなことになってる。。。
実際のアップされた画面では、デザインの時より文字が読みづらくなっちゃってる。。。
UXとかの社内勉強会をやってもなんか手応えがない。。。
解決できるのは興味と好奇心
ボトムアップは、なかなかうまくいかないことが多いです。
なぜなら、みんな自分で精一杯だから。そして興味をもてないから。
大人になるにしたがって、知らないことに対して興味や好奇心を持たなくなります。
おとなになると、知らないことは、めんどくさいことになります。
だから、ボトムアップをするために、できるだけ興味を持ってもらえるようなコミュニケーションが必要です。
面白く、わかりやすく。
トップダウンとボトムダウンが融合した時、
きっと素晴らしいクリエイティブが出来上がるんだと思います。