どんな現場でも言えることですが、
「わかった風」で仕事を進めることほど、怖いことはないと思います。

これは、現場に混乱をもたらす元凶と言っていい。
撲滅すべきです!

「わかった風」現場の例

・プロジェクトのオリエンテーション時にろくな質問が出ない
・すごく早いペースで説明しているのに、「ちょっと待って」と言われない
・「こういうことですよね?」という具体的な方針確認が返ってこない
・メールだけで依頼してるのに「了解です!」という元気な返事しか返ってこない
・やたらと忙しそうにしているので、理由を聞くと「何ででしょうね?」という返事が返ってくる

自分や、自分の周りにも思い当たることが多々あります。

「わかった風」が引き起こすカオス

この現象は以下のような流れで生じるのだと思います。

1.説明の場に呼ばれる
2.自分にとっては、まだ先の話なので、何となく聞いておけば良いという判断
3.スケジュールなど自分に直接関係ありそうなところだけ、聞けばいいやという判断
4.自分ごとではないので、頭に入ってこない
5.自分のパートにしか興味がないので、全体像はどうでも良い
6.全体像がわからないので、具体的なイメージが沸いてない
7.具体的なイメージがないので、質問もできない
8.結局ろくに質問もせず、勝手な想像でものを作る
9.結果、的を外して大量に修正をもらう
10.なぜか忙しいという状況に陥るが、1〜9が原因であることに気づかない

ついでに言うと、1の時に説明する側の方の人も問題があって、
自分自身で、腑に落ちるまで理解していなかったり、
伝えるというところで、熱意が足りてなかったりします。

これは、プロジェクトの下流になればなるほど顕著に起こり、
どんどんおかしな伝言ゲームを引き起こし、取り返しがつかなくなって行ってしまいます。

「わかった風」で仕事を進めないようにするために

これを防止するためには、
・まずプロジェクトに呼ばれたら、そのプロジェクトに興味を持つ
・自分の立ち位置をしっかり理解した上で、他にどういう人が呼ばれていて、 全体像はどういうものかを把握する。

その上で、ぜひやってもらいたいことがあります。
説明する人は、自分自身の話す内容に、5回「なんで」を自問し、深堀する。
知り合いで、とにかく「なんで」を連発して聞く人がいて、その人の受け売りではありますが、自分なりの解釈はこんな感じです。

例えば
Q1「なんでこのMTGをやるか」
A1「ワイヤーをメンバーに共有するため」
Q2「じゃあなんで、ワイヤーを共有するか」
A2「リニューアルの意図と、クライアントと握った内容をデザインや実装に落としてもらうための資料だから」
Q3「じゃあなんで、そんなもの作ったか、なんでリニューアルするか」
A3「現状サイトに問題があるから」
Q4「じゃあなんで、現状サイトは問題なのか」
A4「ユーザが思い通りに遷移できていない、良い商材なのに、魅力ある見せられ方がされてない、更新がままならなくて放置されている、、、、etc」
Q5「じゃあなんで、それらは問題なの?」
A5「クライアントがビジネスチャンスを逃しているから…。」

ここまで、自問自答してみると、A4あたりから急に具体的になってきます。
そして、実質A5がこのプロジェクトの最終的な意味なんですよね。

逆に話を聞く方もやってみましょう。
Q1「なんでこの位置にメニューおいた?」
A1「使いやすいから」
Q2「なんで、この位置だと使いやすい?」
A2「スマホで親指の届く位置だから」
Q3「なんで親指で使うってわかる?」
A3「片手操作で使われることが多いから」
Q4「なんで片手で使うってわかる?」
A4「通勤中に見るメディアだから」
Q5「なんで通勤中に見るの?」
A5「クライアントが、サラリーマンに訴求したい商材を持っていて、メディアを使って接点を持ちたいという意向があるから、だからスマホを見ることが多い通勤中に着目した」

5回というのはあくまでも例でですが、お互いに深堀りしたコミュニケーションをすることで、理解を深めることが大事です。そして5回も深堀りすれば、だいたいのことは本質が見えてくるはずです。

他人の言葉を本当に理解するというのは、手間のかかることです。
ただ、わかるまで話し、わかるまで聞き続けることで、より信頼しあえるチームになっていけるのでは?と思います。

column5

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