師走っすね。
おかげさまで、今年も無事年を越せそうです。
今年を振り返ると、自分的には色々変わった年だった気がします。

世間的にいうジャーマネというポジションに就任した時点で、ある程度やんなきゃならねーなと思っていたことを、始めたひとつがこのブログです。
書き始めから、もうすぐ5ヶ月になるわけですが、少しずつ板についてきた気がします。

年が変わる前に、一度自分たちのチームを引っ張っていくための方針をまとめようと思います。
これは、自分たちだけでなく、多くの現場に当てはまることかもしれないので、参考にしていただけるとこれ幸いです。

手段より目的

これは、本当に大事だし、本当に浸透させるのは時間がかかる。
自分のチームは、制作部という部の中でも、新規案件を取りに行くチームです。
営業はいません。
自分の一挙手一投足が、次の仕事が取れるか、後に続くかを決めます。

ですが、チームメンバーは元々そんな現場にいた人たちではありません。
元からある運用の仕事をしていたり、誰かが用意し、誰かが細切れに分割した仕事を「こなす」ことを主としてきた人たちでした。
そういった現場では、手段が先行します。
デザインをすること、コーディングをすること、もっと言えば「PSDファイルを作ること」「アイコンパーツを作ること」「HTMLを書くこと」「Javascriptを書くこと」が彼らの仕事でした。

だけど新規の仕事を1からやっていくには、そんなことは、たった一つの手段でしかありません。
今の現場がやらなければいけないのは、クライアントとクライアントが相手にしているエンドユーザーのことを考え、インターネットの世界で、どうやってその2者をうまく交会わせるかを考えること。

たまたま土俵がWEBだから、Photoshopを使ってWEBデザインを作り、HTMLやJavascriptを使って表現し、PHPを使って機能を実装しているに過ぎないんですよね。
あくまでも、これらは手段にすぎません。
いつだって「手段」は「目的」の後ろにあります。
手段を選び、使うとき「目的」を理解して行動してほしい。
必要なことは徹底的にやるべきだし、目的にそぐわない高機能や、トレンドデザインを無理に売ることは、やってはいけない。それは、お金を支払ってくれるクライアントへの冒涜と言っても過言ではありません。

目的を追求し、そのために最適な手段をもって自主的に動く。
それが「制作部」だと思っているし、これからもブレないものの一つです。

急がば回れ

これも言い方は違えど、チームに対して口すっぱく言っていることです。
「まず手を動かすのをやめなさい」

前章で書いたように、今までのように誰かが用意し、細分化した1タスクであれば、とにかく手を動かすことで、こなせていたでしょう。
ですが、今は違います。
プロジェクトの中で、今自分がやっていることがどういう位置付けで、どんなタスクなのか、しっかりと見極める必要があります。
プロジェクトはあなた一人でやっているわけではないし、あなたが見えていない(見ようともしていなかった)工程の連続が前にも後ろにもあるのです。
そしてあなたの工程自体も無意識にやっていた時には見えていなかった、細かい工程が山ほどあるのです。
そこに目をつぶってはいけません。
自分の仕事をしっかり理解し、他の人の仕事を全体的に把握し、最適な自分の立ち振る舞いを決めていくことが必要です。

そうすることで、効率的に仕事が回り、チームワークが生まれ、より良い成果物が生まれると信じます。

失敗は成長のために

年の瀬にこのテーマについて、友人と話す機会があったが、ここ最近で自分がジャーマネにの立場として特に大事だと考えている点です。
ベンチャーの小さな制作会社から今の会社に入ってきて、一番のカルチャーショックだったのは、皆自分の仕事以外のことを知らなすぎるし、そもそも自分にはできないと決めつけてしまっているように見えた。
それは、新しいことに挑戦するリスクを会社が取らせないようにしていたり、挑戦することでその瞬間、無駄に工数がかさんでしまうことを制御していたせいなのかもしれない。

やったことがないことをやるのに、リスクなしなどという虫の良い話は皆無だろう。
それは案件にしても、個人個人のスキルにしても同じです。

やったことがないことをやれば、もちろん皆多くの失敗をします。
多くの人に迷惑をかけることもあるでしょうし、案件自体が赤字として計上されることもあるでしょう。
そして失敗をした本人は、一番辛い思いをするでしょう。

しかし、その失敗という経験を積むことで、人がどれだけ成長できるか、そこから学べることがどれだけ多いか、自分はそこに何物にも変えられない価値を感じます。
かくいう自分は、スーパー失敗マンです。未だに失敗だってします。
ですが、会社の中で誰よりも早い状況判断ができる自信もありますし、何か起きた時のリカバリースピードだって誰にも負ける気はしません。
失敗したからといって、処刑されることはないのです。
現に今自分はここに立っていて、偉そうなことを言っているくらいですから(笑)

この1年チームのメンバーは、僕にやったことがないことをたくさんやらされて、疲れたかもしれません。
でも振り返ってみてどうでしょう?去年の自分に今自分がやっている仕事が理解できたでしょうか?
去年の自分が悩んでいたことがどれくらいちっぽけに見えるでしょうか?

来年も遠慮せずガシガシいくんでよろしく!
ケツは吹きまっせ。それが自分の考えるジャーマネの仕事ってやつなんで。

なんだかんだ言ってやっぱ人

仕事って何なんだろうという問いに対して、僕は人付き合いと答えるようにしています。
僕らは考え方や、WEBサイトやアプリケーションのようなテクノロジーを売って生計を立てています。

ようは「もの」売りなわけです。
仕事を発注する立場としても、デザインをすること、プログラムを書くことを発注しています。
「こと」を買っているのです。

見積書や発注書にはこの「もの」や「こと」がずらりと並びます。

でも自分の気持ち的にはどうでしょう?
いつも取引してくれる人に対して、今回も良い仕事をしてあげたいとか、新しい取引先のことがもっと知りたい、どんな思いで商売をしているのだろうとか、パートナーに対しても、またあの人と仕事したいなとか、向いている方向はいつだって「ひと」です。
スタッフにしたって同じです。彼らが作る「もの」や稼働という「こと」で見ません。
感謝するのも、評価するのも「もの」や「こと」ではなく、「ひと」としてです。
よくやりきってくれてありがとう、一人のクリエーターとして成長してくれたことに対して評価したいのです。

「もの」や「こと」が中心になってしまうと、必ずチームもプロジェクトはうまくいかないことが多いです。
人間はそんな簡単じゃねーってことなんでしょうね。

今年もいろんな「ひと」にお世話になりました。
ありがとうございました。

来年も、デジタル業界でアナログに人付き合いをやっていくつもりです。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

良いお年を!

column26

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