僕はバンドマンです。

学生時代からずっとやっていて、26までは就職もせずにバンドをいくつもやっていました。
今も仲間と続けているバンドはもう15年近くなるのかな?

人生の中で、かなりの時間をバンドに費やしてきたもんだから、ものの考え方は、無意識のうちにバンドで得た経験が元になってきます。

そのうちのチームビルディング編(形成期)。

よく、タックマンモデルとか、チーム形成のためのガイドラインを目にするけど、何か読んでて、これバンドの結成から解散と一緒じゃんって思ったりします。
意思を持った人が集まって何かをやろうとして、最終的にはお互いの方針を持ち、解散するのは、何か意識してやることではなく、ごく自然に起こる事です。

ビジネスの中で、話をしてしまうとどういうわけか小難しくアカデミックな表現になりがちなので、今回は、バンドに置き換えて理解してみようと思います。

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形成期(バンドのメンバー決定)

バンドという観点で見ると、チームの形成ひとつでも色々なパターンがあります。
どのように形成されたチームかによって、個々が注意すべき点や、コミュニケーションのアプローチは異なると思います。

元々の仲間で結成されるパターン

バンドが結成する理由は、色々なケースがあります。
僕が一番長く続けている、今も仲間と集まったりしているバンドは、学生時代の友達で集まったものです。
元々友達であるという信頼関係があった上で、チーム形成されるパターンです。
これは、自分の活動が今も続いていいるところからもわかりますが、一番うまくいきそうですね。
ビジネスではあまりないパターンかもしれません。
仲間内で始まったスタートアップやベンチャーであれば学生時代からの仲間で始めるということがあるかもしれません。
このパターンの場合、他のチーム形成に比べかなりのリードを得た状態でスタートできます。

結成というところでは、スムーズな成り立ちですが、仲良しチームになってしまい、高い目標や、競争意識というものが上がらず、ビジネスには不向きな一面もあると感じます。

元々の信頼関係の上で形成されたチームの場合、目標設定と、各自の甘えを如何に抑制できるかが、ポイントになりそうです。

メンバー募集で結成されるパターン

バンドで次によくあるのが一人がメンバー募集をかけ、そこに各種のパートが集まるというパターン。
最近あまり見なくなってしまいましたが、ライブハウスやスタジオに、自分の好きなバンドやジャンル、自分のパートを紙に書いて、紙の下の方に連絡先を書いた切り込みを入れたものがいっぱいありました。

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このパターンは、うまくいくとき、いかないときがあります。
うまくいかない場合はほぼ、やりたいことがずれているか、熱量の違いです。
メンボ(メンバー募集の紙)の内容や見た目におそらく問題があるのでしょう。熱量の高いメンボは、ひと目でわかります。

これ、ビジネスでも一緒で、やりたいことがずれていたり、熱量に差があると、チームは空回りして、崩壊します。
実際このパターンは一番現場でのチーム形成では多く見られます。
仕事ではメンボの紙で意思を伝える代わりに、リーダーがしっかりと資料やプレゼンテーションで内容を伝える、
招集されたメンバーはそれを理解しようとする、わからなければ分かるまで聞くことが最初のアプローチになります。
この時に大事なのは、熱量をみなが持つこと。
これは、受託の仕事では難しい。。。いつもあなたの好きな内容、情熱を燃やせる内容が仕事になるわけではないので。。。
僕の場合、どんな仕事でも、まずは入り込んでみて、クライアントのビジネスの中で興味が持てるところを探すことをやっていました。
この興味探索は、クライアントとよく話したり、商材のストーリーを知ったりしなければ見つかりません
また、話をすることで、クライアントの人柄や、会社の姿勢に対して感銘し、情熱が生まれる場合もあります。
どんなに自分からかけ離れたビジネスでも、新しい発見があり、それはとても興味深いものになったりします。
だから受託という仕事はおもしろいのです。

ただ、どうしても興味が持てなかったり、熱量の差を埋められないのであれば、メンバーから外してもらうように挙手することをおすすめします。
それは仕方のないことでしょうし、お互いの時間の無駄になります。

ドリームチームパターン

バンドでも、ビジネスでももう一つ形成パターンがあります。
精鋭部隊です。
すでに活躍している状態の凄腕で結成させるドリームチームです。

この場合、各メンバーがよりすごいものを作ろうとして、自主的に集まる場合もありますが、
メジャーアーティストなどのばあい、メンバー以外の例えば、レーベルやプロデューサ側からスカウトというのもありえます。
ビジネスの場合、尖ったクリエイティブのキャンペーンなどでは、ドリームチームがよく結成されます。
確かに質は高くなる可能性が高いですが、お金もふんだんにかかるでしょう。

ドリームチームの場合、そのチームが作ったということに対する付加価値も得られたりしますが、
仕事の場合、あくまでもクライアントワークなので、そこに依存するのは避けなければなりません。
ドリームチームにいるということは、物事を的確に理解し、表現する力を十二分に持っているということです。
その力を100%活かすためにも、彼らを集めた統括の力量というのが問われることになります。

こういったチームに入るのは、クリエーターにとっては目標であるべきだと思います。
僕はバンドをやっていた時に、いくつもサポートで他のバンドに参加しました。
そこでは、地方にツアーにでたり、普段より大きなステージに上がったり、今まで経験しなかったことを得る機会がありました。
もし経験が浅くても、参加するチャンスがあれば積極的に入っていくべきです。
その経験は、他では得られないものになり、普段の仕事の内容を俯瞰して見直すきっかけとなるはずです。

 

このシリーズの次回は、「混乱期」について書こうと思います。
より強いチームになるには、ぶつかり合いが大事ってこと!

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